今の日本の里山の様子


今や里山や貴重な自然が残る場所、いたるところに見られるシカよけの柵です。

日本の国土の約70%を占める山岳地帯。
30%ほどしかない平野部に多くの人が住み、都市が発達しています。

高齢化、人口減少社会の訪れとともに中山間地と呼ばれる山と人里の境界線域からの人口が減少し、高齢化も進んでいます。

中でも「限界集落」と呼ばれる住民の半数以上が65歳以上の集落の増大は顕著です。

住民の高齢化により耕作できなくなった畑が藪化し、獣たちが身を隠しながら人里に近づきやすくなりました。

人里に下りてきた獣たちはそこで収穫を放棄された柿などの果物や畑の作物の味を覚え、人に追われることもないため、人里周辺に居着くようになります。
居着いた獣がさらに畑の作物を荒らし、農家の耕作意欲を失わさせ、さらに放棄された畑が増え、獣を呼び寄せやすくなるという悪循環が続きます。

このまま限界集落問題、獣害問題を放置しておけば、人が獣に追われて撤退する集落が現われるかもしれません。

山の保水能力の衰退、水源林の荒廃など国土保全に関わる課題も危惧しなくてはいけない状態になるかもしれません。