脅かされる「種の多様性」


シカやイノシシなど特定の種類の動物が増えると餌となる動植物は減少し、餌として好まれない動植物ばかりが増えてくる、という現象が起こります。

写真は初夏のころの神奈川県の丹沢山中の様子ですが画面右手の笹はシカの食害にあってほとんど葉を付けていませんが画面に左のマツカゼソウはシカが嫌う独特の臭気があるため食害を受けずに繁殖しています。

笹が減少することはそれを食料とするカモシカなど他の生き物の生態にも影響を与えます。
シカが餌を求めて、カモシカの生息域に入り込み、なわばりを持つ習性があるカモシカはシカが自分のなわばりに入るのを嫌い、本来の生息域からいなくなり、数を減らしている、という事態も起こっています。

平野に近い草地などではノウサギがシカに追いやられて数を減らし、ノウサギを捕食していたワシ、タカなど猛きん類の減少も心配されています。

猟師さんの意見ではクマザサなどはシカが身を隠したり、雨をしのぐために利用していたとのこと。
そのクマザサを食べ尽くしてしまっている事はシカにとっても棲みにくい環境になっているだろう、との事です。